東京都議会警察・消防委員会

樹下組織犯罪対策部長 陳情二四第三号、第五号から第九号まで及び第一三号から一五号までについてご説明いたします。 これらの陳情は、その意味内容が不明の部分も多く、その逐一について意見を申し上げることは困難でありますが、いずれも東京都暴力団排除条例、以後、暴排条例と説明しますが、暴力団構成員の人権を不当に侵害し差別化を進めるものであって、廃止すべきであるという点に主張の要旨があるように思われます。 しかしながら、暴排条例は、暴力団が都内の事業活動及び都民の生活に不当な影響を与えている現状にかんがみ、その影響を排除するため、事業者によって暴力団の活動を助長することとなる利益の供与等が行われないよう必要な規制措置等を講ずるものであって、その目的及び内容に何ら非難を受けるようなところはございません。 なお、公営住宅入居者から暴力団排除についての事例ですが、広島高等裁判所が、暴力団構成員という地位は暴力団から脱却すればなくなるものであって、社会的身分とはいえず、暴力団のもたらす社会的害悪を考慮すると、暴力団構成員であることに基づいて不利益に取り扱うことは許されるというべきであるから、合理的な差別であって、憲法第十四条に違反するとはいえないと判示し、さらに最高裁判所も暴力団構成員の上告を棄却して確定をしたという判例があります。 また、暴排条例を運用するに当たり、恣意的なものであってはならないことは当然であり、警察としましては、都民の皆様に納得していただけるように、適正かつ効果的な運用に努めているところであります。 このほか、東京都公安委員会の組織のあり方や警察職員の天下りについての言及もありますが、警察法に規定されている東京都公安委員会の管理機能は十全に発揮されており、また、暴排条例が警察職員の天下りを目的とするものではないこともいうまでもないところであります。 今回の各陳情に対する警視庁の意見は以上でございます。